お肌のおはなし「日焼け予防」

――「月刊 おとなりさん」4月号(2000.04発行)より転載――

肥後尚孝

 今回は日焼けとその予防法についてお話ししましょう。日焼け止め(紫外線対策)というと夏というイメージがありませんか? 確かに7、8月には紫外線量は多いのですが、実は4、5月も同じくらいか、それ以上に多いのです。ですから、この時期から紫外線対策が重要になります。

 紫外線には大きく分けてuvaとuvbがあります。uvbは7、8月に多く、海水浴後に
皮膚が真っ赤になって痛みを伴うことがありますが、炎症をおこし、皮膚癌の原因にもなります。一方、uvaは雲や窓ガラスを透過して皮膚のわりと奥まで届きます。ですから日常生活(買い物や洗濯干し)の中で知らない間に障害を蓄積します。その結果シミやシワを増やす原因となります。日焼けサロンでuvaだけだから安心ということにはなりません。uvaは4、5月に最大となります。

 こうした紫外線から肌を守るにはどうしたらよいのでしょう?帽子や日傘も効果がありますが、サンケア製品(日焼け止めクリームなど)を上手に使うことが大切です。spf値という言葉がありますが、これは製品がuvbをどの程度防ぐのか指標で、大きい数字ほど防御効果があります。ただ、必要以上に高いspf値は日常生活ではあまり意味がありません。また、最近用いられているpa分類はuvaの防止効果を示しますので、spfとあわせて自分の生活に適した製品を使い分けましょう。(下表)

「サンケア製品」用途別の選び方

「サンケア製品」用途別の選び方

行動など

spf

pa
・近所への買い物などの日常生活
・事務職などあまり外へ出ない人

10~20

+
・戸外でのスポーツ(テニス) 
・戸外での作業、外回りの多い営業職の人など

20~30

++
・長時間の戸外の作業
・南の国への旅行
・戸外でのスポーツ(海水浴、ゴルフ、登山など)

30以上

+++

 またサンケア製品を使用していても日焼けをしてしまう人がいますが、使い方を間違えている場合(うすく塗りすぎる、塗りむらがある、あるいは長時間塗り直さない)もありますので、注意してください。そして部屋に戻ったら速やかに落としてください。
サンケア製品の成分には紫外線の吸収剤と散乱剤が入っていますが、かぶれやすい人は
吸収剤が入っていない製品を使った方が無難です。人は一生に受ける紫外線のうち、半分以上を青年期までに受けるといわれています。ですから小さい頃から紫外線対策をしていると、年をとってから肌に差が出てくると思います。これを読んで「しまった」と思った人も今からでも遅くありませんから、がんばりましょう。