脂漏性皮膚炎について

2002年7月1日掲載

脂漏性皮膚炎は湿疹・皮膚炎の一種で、出来やすい場所が決まっています。
頭や顔や腋や股あるいは胸などです。なぜこの様な場所に出来やすいかというと、皮脂分泌の多い場所や擦れたり蒸れたりしやすい場所だからです。

原因: 残念ながらはっきりした原因は分かっていませんが、皮脂の分泌が多くなった状態(脂漏)を基盤として色々な要因が影響して皮脂を脂肪酸に分解し、炎症を引き起こすのでは、と考えられています。
発症・悪化の
要因:
洗い不足による皮脂の貯留、ストレス、寝不足、生活サイクルの乱れ、紫外線など
症状: 頭(頭皮)や顔(鼻・眉毛・耳のまわりや髪の生え際)などの好発部位に皮膚が赤くなり皮がうすく剥けてきたりします。頭皮に出来るとフケのように皮が剥けてきます。
経過: 乳児の脂漏性皮膚炎は自然に治ることが多いのですが、青年期以後に発症すると再発を繰り返し、治るまでに時間がかかることが多いです。ですから根気良く治療を続けて下さい。
治療: 症状に合わせて外用剤や内服薬を使います。
日常生活の
注意点:
入浴・洗髪・洗顔はできれば毎日行う。直射日光を避ける。ストレスや過労を軽減させる。食事では皮脂分泌を高めるものは避ける(脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料などは控えめに)。

脂漏性皮膚炎はかぶれ(接触性皮膚炎)やアトピー性皮膚炎・乾癬・白癬と紛らわしい事があります。治り具合の経過によって区別できる事もありますので、治りの悪い時や他の場所に拡がる時には相談してください。