お肌のおはなし 「やけど」

――「月刊 おとなりさん」12月号(1999.12発行)より転載――

肥後尚孝

今回はやけどについてです。冬の季節になると、家の中にストーブや熱湯などやけどの原因となる物が増えてきます。やけどをした後の傷の治り具合は直後の対応によって変わってくるので少しお話ししておきましょう。

よくあるやけどとして、味噌汁やカップラーメンをこぼした、蒸気があたった、ストーブに手をついた、アイロンを触った、など高温のものによるやけどがあります。

それではこのようなやけどをしてしまったら、

(1)まず、冷やすこと。水道水や氷水で最低でも30分から1時間は冷やしてください。これによって痛みがやわらぐと同時に、やけどの拡がりを防ぎます。

(2)その間にいつ、何で、どこをやけどしたのかを、よく確かめましょう。特に顔のやけどは目の障害や気道のやけどの恐れがあるので要注意です。

(3)医療機関に電話をして以上のことを話し指示を仰いで下さい。濡れタオル等で患部を冷やしたまま受診すると良いでしょう。帰宅後も包帯の上からさらにアイスノン等で冷やし続けるとその後の治り具合もよくなります。出来れば一晩中冷やす位のつもりでいて下さい。

やけどには前記以外に化学薬品が原因でなることもあります。中和させるという方法もありますが、基本は通常のやけどと同様に流水で洗い流すことです。また、アンカやカイロのような低温の物でやけどすること、いわゆる低温熱傷もあります。やけどの深さは、温度と作用時間で決まるので、温度が低くても作用時間が長いと、普通のやけどよりも深いやけどになり治療にも時間がかかります。低温だからといって軽くみないで、しっかりと治療を受けて下さい。

やけどは事故の一種なので予防することが可能です。特に子供のやけどは親の責任でもあります。子供は大人に比べると傷の治りが早い反面、皮膚が薄いので傷跡になる事も多いのです。ポットやアイロン、テーブルの上の茶碗など手のとどく範囲にそれらの物がないように日頃から気を付けましょう。