お肌のおはなし「ニキビ」
――「月刊 おとなりさん」5月号(2000.05発行)より転載――
肥後尚孝
今回はニキビについてお話ししましょう。
4月より新しい環境で新生活が始まり、ストレスや疲れからニキビは皮膚科的には「挫創」と言い、簡単に言うと毛穴に皮脂が貯まった状態に炎症を伴ってきたモノ、と言えます。
ですから毛穴に皮脂が貯まらないようにすることが大事です。ニキビができた時に、自分でもやれる日常生活の注意点があるので参考にしてみて下さい。
- まず洗顔です。これは重要なポイントです。洗顔時にはお湯を使って下さい。体温よりもやや高めのお湯(お風呂の温度ぐらい)が良いです。冷水だと皮脂が固まったり、毛穴をしっかりと閉じたりと汚れが落ちにくくなります。毛穴をしっかりと開かせて汚れを落として下さい。
そして石鹸や洗顔フォームを良く泡立てて、泡で洗うようにして下さい。ニキビの多い所は二度洗いしても良いでしょう。一日にできれば3回ぐらい洗顔できると、顔についた汚れがしっかり落とせるのですが、洗いすぎると目や口の回りがかさつく人は、洗った後にその部位は保湿剤などで水分を補っておいて下さい。 - 気にしてさわらない。爪でつぶしたりしていると余計炎症がひどくなったり、キズあとになることがあります。気にしてしょっちゅう鏡を見ているとつい手がいってしまうので、鏡を見る回数も減らしてみましょう。髪の毛があたって刺激になることもあるので髪型にも注意しましょう。
- お化粧、特にファンデーションなど油性のものは毛穴をふさぐので悪い影響がでます。なるべく油性でないもので短時間だけにするというようにして下さい。口紅やアイシャドー、水性化粧品は大丈夫です。
- 食べ物に関しては個人差もありますので、食べるとニキビが増えると感じる物は控えめにしましょう。
- 便秘でもニキビは増えるので、野菜など繊維成分の多い食品を多めにとって下さい。
- 寝不足や生活リズムが乱れるとニキビは増えます。また、環境の変化やストレスでも増えるので規則正しい生活を心掛けて下さい。
- 女性の場合、生理前にニキビが増えることもあります。
以上のように、色々な要因でニキビはすぐに悪化するので、自分の生活の中でやれることがあったら積極的にしてみて下さい。
医療機関では、ニキビに対する治療として外用薬や内服薬を症状に応じて使い分けします。日常生活の注意点と共に、それらの治療を行うと効果も良くなると思います。